そして反対のケースもある。つまり、血筋も言葉も同じだと思われるのに、違う民族だと認識しているケースだ。漢人による完全乗っ取りが目前に迫った台湾に
と書いたが、実はこの老人たちがこのケースに当たる。ふと、漢人の中にまぎれてフィールドワークに行った時のことを思い出した。原住民(何族に属するかは省略する。少々複雑な事情が彼らにはある)のある老人が昔話を、台湾でいうところの北京語で聞かせてくれたが、その中で「私たちは日本人のことを猿と呼んでいましたよ。はっはははは」という一幕があった。
人類学(自然人類学と文化人類学の両方)の学者は、この老人たちがタイヤル族に属するという研究結果を出しているが、彼らはそんなことにはお構いなしで、自分達は独立した民族だと主張している。もちろん漢人と思われる人の中にも、自分が漢人ではないという人もいるかもしれない(我輩は出会ったことがないが)。トルコ人とギリシャ人なんて外見からは区別できないし、コーヒーを全く同じ飲み方で飲んでるくせに、異なる言葉を話し、全く異なる民族を形成している。
影丸さんの意見は、本省人はすでに台湾人としてのアイデンティティーをもち、新しい民族を形成している、そして原住民は本省人の考えに大賛成だということだ。飛び地さんが書いてくれた
というのは影丸さんから見れば全く素直でもなんでもない。我輩は飛び地さんの見方が自然だと思うが。素直に考えれば原住民は日本人支配も漢人支配も嫌なはず。と思うけれども。
さて、中国では「中華民族」などというわけのわからない言葉が使われ、これには影丸さんが書いたウイグル人やチベット人が含まれる。異民族を「中華民族」という名の下に、漢人にゆっくり同化させていくのが中国共産党の狙いだ。
つまり、台湾では「台湾人」として、中国では「中華民族」として異民族を漢化させつつあるということだ。
歴史を振り返れば、今の福建や広東や台湾などは元々異民族が住んでいた土地だ。福建と広東はすでに漢化運動が完了し、元々は異民族であった地元の人たちが、自分を漢人だと思うようになった。民主主義というイデオロギーに
と紹介したこともある。ちなみにこの人は貴州の人だ。そして台湾でも漢化運動の完成が目前に迫っている。我輩のある知り合いは少数民族だが、身分証をもらうまで自分が少数民族だとは知らなかったという。御両親も民族語を話すことができず、その知り合いもそれまでは自分が漢人だとおもっていたそうだ。
不思議なことに、この漢化運動を応援しているのは、影丸さんから漢人に近いとの評価をもらった我輩ではなく、影丸さんだ。我輩はまだまだ漢人になる資格がないようなので、もっと精進せねばいかんのぅ。
影丸さんは、本省人であるということはつまり漢人ではないという主張をしているが、上海人は上海人でもあり漢人でもある。広州人は広州人でもあり、漢人でもある。台湾の本省人だけが例外だというのには無理がある。台湾が独立すれば、中国と同文同種で、中国に最も親しい国が誕生する。
上海人が他の地方の人を外地人として差別していることは散々紹介してきたし、上海人の中には「北京オリンピックのために上海から資金をごっそり持っていきやがった。なんで俺たちが北京人のために金を出さなきゃいけないんだ」と文句を言ってる人はうじゃうじゃいるし、「上海で悪さをしてるのは外地人なんだから、上海が独立すれば外地人を追い出して、外国にも負けない立派な国になれる」と豪語する人も腐るほどいる。
上海人は上海人としてのアイデンティティーをもっているし、北京人には北京人としてのアイデンティティーがある。台湾の本省人だけが特別なわけではない。
別の話題に移る。台湾人として独立のために戦っている人を尊敬するなに
と書いたが、これに対する影丸さんの反応は以下のものであった。元韓国人である日本人が島根県に大量に移住し、独立運動を始めた。それをみたある台湾人が「独立のために戦うとは素晴らしいですね。本当に尊敬できる人たちですよ」と独立運動をしない人は尊敬できないという意味を暗にほのめかしながら影丸さんに話してきた。
さて、影丸さんはどう感じるだろうか。もちろん、台湾のことをよく御存知の影丸さんなら、台湾のいわゆる本省人というのは、アミ族やタイヤル族などを押しのけて台湾に住みついた人たち(我輩の言葉でいえば漢人)だということは当然知っているはずだ。そして独立のために戦ってる台湾人が少数派だということも。
そして影丸さんは別の場所で日本という国家内に国家を作る独立運動は国家分裂にほかならない。
台湾は中華人民共和国に一度たりとも統治下に置かれたことはない
台湾では少数民族が国家として存在していたわけではない。
台湾は長い間中華人民共和国で統治されその恩恵もすくなからず受けたわけでもない
今の台湾の台湾人というアイデンティティは台湾という郷土に根付くものだ。
それに対して血や民族で併合しようとする漢人に対して独立運動をしている人々を尊敬すると
言っている。
政治的な側面で言えば独立運動ではないな。すでに独立しているんだから。
つまり国際社会に承認させるための承認運動が正確か。
とも書いた。台湾人のアイデンティティを歓迎し協力して馬政権に圧力をかけ、またチベットウイグルを支援する。これが日本の必要な立場と考える。漢人に近い楼主さんは腹立たしいだろうが理解してもらいたい。
ここで、影丸さんに質問したい。
というのは仮の事実を認定した段階だが、この仮の事実に対する影丸さんの感想を聞きたい。もちろんチベットウイグルを支援するという御自身の主張も考慮しつつ。日本という国家内に国家を作る独立運動は国家分裂にほかならない。
我輩の立場は内政干渉は止めたまえに書いたとおりで
李登輝にビザを出すか出さないかは、我が国の問題であり、中国に文句を言われる筋合いはない、我々の内政に干渉するな、というのも同じ考えに基づいている。20年も中国圏で暮らしていると、例えば「お前らの政治家はなぜ軍国主義の象徴である靖国神社に参拝するのだ」というような言いがかりをつけられた経験が少なからずある。その時の気分によっては長々と解説したりもするが、面倒な時には一言で済ませる。それは「我々の内政に干渉するな」ということだ。
さらに一歩進めて、内政に干渉するなといいつつ、他国の内政に干渉するのでは説得力がないというのが我輩の主張だ。
中国についてなにかを感じたら
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